2017/05/04

参考書がない技術士一次試験衛生工学部門を効率的に合格するための独学勉強法

技術士は21の技術部門があり、技術士となれば、それぞれの分野で高い専門性を認められる資格です。
技術士を取得するためには最初に技術士一次試験に合格(技術士補となるための要件)する必要があります。(JABEEという仕組みで技術士を受験することも可能です。)

私は21部門の内、衛生工学部門を受験しましたが、この「衛生工学部門」は参考書がなく、試験対策を実施しにくい部門です。
参考書が見つからず、どのように勉強すればよいか知るために検索をしていて、このページに行き着いた方も多いと思います。

そこで、このページでは、私が受験する際に行った対策を整理し、技術士一次試験衛生工学部門を合格するための勉強方法をご紹介します。


1.技術士一次試験衛生工学部門の資格の特徴は?

1-1.技術士一次試験は3科目それぞれを半分正答する

技術士一次試験は基礎科目、適正科目、専門科目に分かれており、それぞれの科目で正答率50%以上で合格となります。
それぞれの科目で解答方法が下記のように異なります。

【基礎科目】
6問×5分野の計30問から、3問×5分野の計15問を解答する。
【適正科目】
15問を解答する。
【専門科目】
35問の出題の内、25問を解答する。

出題数が多く、基礎科目や適正科目に比べて専門的な知識が必要となることから、対策では専門科目に比重を置いて学習することが必要となります。


1-2.衛生工学部門用の参考書がない

このページをご覧になっている方は既にお気づきかと思いますが、技術士一次試験の衛生工学部門の専門科目用参考書は市販品がありません。
技術士一次試験の受験者数は年間約2万人程度ですが、その中で衛生工学部門の受験者数は400人程度です。
参考書がないのは年間400人を対象に参考書を出版するのは、出版会社からすると儲からないのが理由と思われます。
では、参考書がない状況でどのように勉強をすれば良いのか。
詳しい勉強方法は「2.衛生工学部門の専門科目はどのように勉強すればよいのか?」でご紹介します。

また余談ですが、本屋で建設部門の参考書を多く見かけます。技術士一次試験 建設部門の受験者数は年間7,000人程度です。その程度の受験者がいなければ、参考書を出版する利点がないのでしょう。


1-3.過去問題がそのまま出題される

技術士一次試験では、過去問題と類似の問題や完全に同じ問題が出題されることが多々あります。
技術士一次試験の対策では、過去問題の中から何度も出題されている問題を把握し、確実に正答出来るようにすることが重要となります。

例えば、下記は「リン除去技術」についての問題です。
平成25年と平成27年の問題は出題文、選択肢も同じ問題となっています。
これらはそれぞれの選択肢の意味、内容を勉強するのも良いですが、合格点を目指すだけであれば、解答を丸暗記してしまう方が効率的です。

頻出の問題を一覧にしたものは後で紹介します。


【H25年 衛生工学部門 問19】
【H27年 衛生工学部門 問18】


2.衛生工学部門の専門科目はどのように勉強すればよいのか?

2-1.過去問題を中心に対策する

技術士一次試験衛生工学部門の専門科目は過去問題を中心に学習することとなります。
理由は2つあります。
①過去問題から同じ問題が多く出題される
②参考書がない

過去問題は日本技術士会の公式ホームページから閲覧、ダウンロードすることができます。
日本技術士会 【過去問題(第一次試験)】


2-2.問題の種類を5つに分類する

技術士一次試験 衛生工学部門の問題は大きく5つに分類できます。
①建築環境系の問題
②空気調和衛生設備系の問題
③水質管理系の問題
④大気管理系の問題
⑤廃棄物系の問題

これを今までの過去問題で分類すると下記のようになります。

【技術士一次試験衛生工学部門 過去問題分類表】

近年は前半に建築分野の問題、後半に水質、大気、廃棄物の問題が配置されていることがわかります。


2-3. 過去問題を分析すると「廃棄物系」が出題多い

5つの分類別に過去問題を分析すると出題比率がそれぞれで異なります。
下のグラフは平成18年度から平成27年度までの10年間の過去問題出題比率を5つの分類別に整理したものです。
見て頂くとわかるように、廃棄物系の問題が最も多いことがわかります(32%)。
続いて、建築環境系(22%)、空気調和衛生設備系(21%)となっています。

このことから、廃棄物系の問題をしっかり勉強しておくことが合格の近道となります。
自身の専門性に合わせて、苦手かつ出題比率が高い分類を重点的に勉強し、得意分野と合わせて得点することで、合格圏内に入れるよう、勉強する分野を調整しましょう。

私の場合も廃棄物系の問題を中心に勉強しました。また、建築環境、空気調和衛生設備系の問題は自分の仕事の分野でもあり、そこまで重点的には勉強しませんでした。

【H18~H27の過去問題350問の分類別出題比率】



2-4.過去問題から繰り返し出題されている問題を見つける

技術士一次試験では、過去問題から類似問題や完全に同じ問題が出題されることが多いことを紹介しました。
では、頻出問題は具体的にどの問題なのか気になる方も多いと思います。
そこで、頻出問題についてまとめました。

下記表は平成16年から平成27年までの期間に、2回以上出題があった問題を一覧にしています。(類似の問題も含む)
出題回数と共に、出題年と出題番号を記入しているので、公式ホームページで公開されている過去問題から該当の問題を探し、重点的に学習することができます。

【衛生工学部門 頻出過去問題一覧】



3.基礎科目と適正科目の勉強はどのくらいすればよいのか?

ここまで、技術士一次試験の衛生工学部門専門科目についての勉強方法を紹介してきました。
一方、技術士一次試験には基礎科目と適正科目もあり、それらを全く勉強しないままでは、合格のボーダーラインである正答率50%をクリアすることは出来ないでしょう。

専門科目に比べ、基礎科目、適正科目は市販の参考書が多く出版されており、勉強はしやすいです。
では、どのくらい勉強をすればよいのか。
目安は下記です。

【基礎科目】
市販の参考書で3~4年分の過去問を解く。
似たような問題が多いので解き方を理解すれば、本番でも戸惑うことなく解答できるようになります。

【適正科目】
市販の参考書で1年分の過去問を解く。
適正科目は一般常識で考えればわかる問題がほとんどです。どのようなレベルの問題が出題されるのかを把握しておけばよいでしょう。
ただし、過去問題1年分は実施した方がよいです。ひっかけ問題等はないですが、本番1回だけですと、選択肢のひっかけを疑ったり、深読みをしすぎる可能性もあるため、出題方法を把握しておくことが重要です。


4.合格するための参考書は?

ここまで、技術士一次試験衛生工学部門を合格するための勉強法を紹介してきました。
過去問題を中心に実施することを推奨しましたが、公式ホームページで公開されている過去問題の解答は、選択肢番号しか公開されていません。
そのため、なぜその選択肢が正解なのかをヒモ解くために参考書が必要となります。

ここでは、勉強の際、あると便利な参考書を紹介します。

【基礎科目、適正科目の学習におすすめ】


【廃棄物系の学習におすすめ】


【建築環境、建築設備系の学習におすすめ】



5.まとめ

技術士一次試験衛生工学部門に合格するための情報はいかがでしたでしょうか。
このページを読んだ方が、試験に合格できることを願っています。

また、受験に際してのご質問等あれば、お気軽にお問い合わせください。


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